Key作品の感想など

サマポケ日記 6/29

Jun 29th

Summer Pocketsが届いて夏が始まった。

初回特典は概ね良かったけれど中でもラバーコースターとクロスは普通に欲しかったため非常に嬉しく、これに冷たい飲み物を乗せてメガネを拭いてサマポケをプレイしていこうと心に誓った。

色々忙しいから今日はインストールだけ、と思いパソコンを起動、ディスクをセット、大きな音を立ててインストールされていくサマポケを見守ったり見守らなかったりした。

インストールが終わりOK的な、次へ的なボタンを押していったらメニュー画面が出てくるわけではなくはじまりのムービー的なプロローグ的なあれが始まってしまいこれはもう見てちょっと進めようと覚悟を決めて見た。

以下この日記はネタバレを含みます。

ムービーを見てかなりよさそうという以外には、「眩しさだけは忘れなかった」が結論ではなく前提なのが意外、などと思った。雰囲気やフォントの感じなど隅々まで綺麗で俄然楽しみになった。

発売日に買っておいてなんだけど買ったのは昨年のコミケ以来KeyのPRに触れ続けた結果すごく楽しみになってしまった、あと先月KSLライブで聴いたアルカテイルが非常に心に残った、というだけで、あと麻枝 准が原案と音楽にクレジットされている、というだけで、いい感じの夏の思い出を作りたかった、というだけで、そんなに期待してたわけじゃないんだからね!というテンションだったけれど俄然楽しみになった。

今まではとっくに攻略サイトが出来ているタイトルを攻略サイトに沿って効率的に進めていたのだけど流石に攻略サイトは上がっていない、しかしもう我慢できないし今までの経験に照らし合わせて適切っぽい選択肢を選びながら適当にやっていけば誰かしらのルートに入ってまあバッドエンドは回避出来るだろう、そもそも自力で進めるのがゲームというものでその面白さを1ルートくらいは味わうべきだ、ということでいきなり出てきた最初の選択肢を、傷ついた翼を癒すためみたいなやつにした。そうしたらこれが後々までずーっと出てくるキーワードになって、あれ以外の選択肢を選んでいたら全く違う世界に進んだのだろうかと思うと、なんだかハラハラする。

それで鳥白島にやって来て、なぜやって来たのかも分かって、やって来たなあと思った。これからここで過ごしていく、鷹原羽依里が、私が。今公式サイトで「羽依里」の漢字を一応確認のち辞書登録をした。

というかこんなに長々と書く気はなくて、ただでさえ取りづらいプレイ時間を削るわけにはいかなくて、私はただツイッターで漏らせない心の叫びを抑えきれなくて、といっても一人静かにゲームを進められないのはSNSに毒されすぎだとは思う、でもちょっと、ネタバレ見るのも言うのも気にしなくていい場所でちょっと呟きたいからブログに来た・・・というのと、もう一つ。

Keyのゲームをプレイするたびに、日記をつけてみたい、つけておけば良かったと思っていた。その街で一つの季節を過ごした記録を未来の自分に残しておきたい。ゲームの中で過ごす自分と、画面の前でゲームを進める自分が混じり合い、やがてかけがえのない思い出になる時間を紡いでいく、その真っ最中の軌跡を形にしたい。そういうちょっとした夢を今回こそ叶えようと思った。

それでこれを書いているのが6月30日で、昨日プレイした部分を細かく覚えてはいないし細かく振り返りたいわけではない。のでざっくりと思ったことを並べてみる。

とりあえずKeyだ〜〜〜という感じに包まれた。高校生の主人公の内面に展開されるアンニュイな心情と不意打ちのギャグ。新しい場所へのワクワク感とワケありな雰囲気。ツッコミどころ満載の住人とのほのぼのとした交流。ちょっとくどいくらいにKeyっぽいテンションがあった。まあそういうKeyっぽいとか誰が書いてるかとかはプレイしながら考えることじゃないだろうけど流石に「Keyのゲーム」という意識は拭えない。

布陣も大きく変わってKeyのゲームとしてどうなったのだろうと少し不安だったところを、最初のおばあちゃんとのやりとりでホッとさせられた。へじゃぷ。やっぱりKeyの核は日常にあると思っていて、主に麻枝さんが作ってきた日常ギャグのテイストが受け継がれているのは嬉しかった。

最初に島を巡っている時のあの雰囲気もすごく、今までのKeyとは違うけれどああ・・・と浸れるもので、BGMも、多分あのBGMが麻枝さんなのだろうけど、全体的にああ・・・と浸れるもので、ああ・・・・・・と浸った。世界に入っていった。ここでの夏休みが始まる。

初日、まずは鏡子さんに出会って、あの綺麗な背景グラフィックの世界に初めて人物の立ち絵が出てきたのをおお!と思いつつ胸でかいなあと思いつつAIRの晴子さんを思い出したりした。いい人だろう。

夜はしろはとの出会い・・・いきなり下着姿でびっくりしたけれど星空のもと夜のプールでああして出会うのはとても美しいことだと思った。体験版をやっていないからキャラのことは限られたビジュアルしか知らなくてしろはは多分メインヒロインだろうけどなんかそんなに興味が出なくて私は紬ちゃんが良いかななどと思っていたけれど実際会ってみたら印象が全然違くてすぐ好きになった。

いや違う、出会ったのは夜だけどしろはのことは一番最初に船から見たんだ。あの絵の時点で心惹かれていた。あの美しさ。鳥白島の物語世界を立ち上げて軸として支えるような強い存在だと思う。

そういえば明らかに過去を匂わせる記述が多くて、物語の全てがそこに収斂されていくような感じを掻き立てられてそれはちょっとなんとも言えないのだけれど、あからさまな感じも含めて意図的である気もするし、その部分こそが麻枝さんの原案の核なのだろうし、予感は予感としてどこかで感じつつ目の前にある一日一日をきちんと楽しんでいきたい。

それで次の朝うみちゃんに出会った。前日にサマポケ応援イラストでごとPさんが描いているのを見て、誰だこの子と思って調べたらうみちゃんで、ごとPさんがうみちゃんを描くこと、あのように描くこと、わかりみが深すぎて印象的だった、そのうみちゃんに出会った。見た目しか知らないのと、立ち絵が動いて喋るのとでは全然違う。羽依里と並行して自分自身が人々に「出会って」いる感じがして楽しかった。うみちゃんはただの元気でおませなロリではなく知的な感じがして良い。

そのあと誰に出会ったのか、蒼か。まあとにかく7月26日と7月27日を過ごした。初日は25日だったのか、もう一日あったのか曖昧だけどそんなことはどうでもよくて、来月だなあと思った。その数日で蒼と、良一と、美希と、天善に出会った。それとイナリ。ポン!

蒼もあまり興味がなかったけど眠りから目覚めて喋り出した瞬間からめちゃくちゃ良かった。ああいうにぎやかなタイプは苦手なはずなんだけど話し方とか口調とか、なにか無性に良いなあと思った。うみちゃんにもしろはにも思ったことだけど、なんとなく知性を感じさせるところが心地いい。そしてそれは全てのヒロインに対して思うことになった。今までのKeyのヒロインに知性を感じなかったとかいうわけでは、ちょっとあるかもしれないが、ないけれど、何故かそれは新鮮な感覚だった。

ハイドロの美希さんも威圧的で厨二っぽい感じが好ましくないと最初は思ったが普通に話してみればやはり知性を感じる素敵な子だった。

とはいえ大して知性を感じない男二人が完全にツボだった。Keyの男キャラが問答無用で好きだからこの二人には期待しまくってきたけれど一瞬で超えてくれた。

良一、一言一言全部良い・・・。明るいヤンキーかと思えば爽やかで子供っぽいところもあって良い奴で、良いキャラしてる・・・。コロコロ変わる表情も可愛い・・・。出会い方も素晴らしすぎる・・・。

天善、お前最高だ・・・。これぞKeyの男キャラだ・・・。登場からして面白すぎる、存在が面白すぎるよ・・・。かと思えばメガネの下の瞳の美しさに射抜かれる・・・。

良一に出会ったその瞬間からKey的BLムードが始まったのは嬉しい反面複雑な気持ちもあった。男同士の恋愛を徹頭徹尾ギャグとして扱う男子校的ノリは恋愛ゲームのレーベルとしてどうかと思うし好きではない、が、普通に萌えも煽られる。複雑だ。あの卓球小屋で過ごす良一と天善を想うと圧倒的な気持ちになる。

これは昨日、つまり今日、つまりこの6月29日にたまたま知ったのだけれど、「学園ヘヴン」や「鬼畜眼鏡」など、BLゲームに明るくない自分ですら知っているBLゲームを生み出した、BLゲーム界のトップクラスにあるSprayというレーベルがビジュアルアーツのレーベルだった、今年一番驚いたし笑った。入社したい。

それよりあの卓球ゲーム、面白すぎる、天善の叫び声で無限に笑える。とりあえず天善にオススメされた時間無制限モードでやってみたら時間が経つにつれ鬼のように難しくなり6分台で終わった。ディスプレイは平面なのに動体視力が必要で、動き回る的のせいで反射神経も必要で本当に難しい。リトバスの野球以上に面白いものはないと思っていたけれどなかなかハマりそうだ。リアルの卓球もやりたくなってくる。

それで羽依里の歓迎会の後にサマポケ史上最強のパワーワードが飛び出した。「徹卓」!!!ゲラゲラ笑ってしまった。徹夜で卓球、徹卓!徹夜で麻雀なら分かるという羽依里の言葉に、徹夜で天鳳をプレイしていた麻枝さんたちが浮かびそれも面白かった。徹卓、リトバスの「極寒」並のパワーワードだ。へじゃぷ。どすこい。徹卓。ワードセンスが光っている。この日記も、「徹卓」の衝撃を吐き出したくて始めたようなところもある。あれはゲームの中で初めて触れてほしい単語だから安易にツイートできない。でも徹卓wwwツイートが溢れていてほしいとも思う。

そんな感じで終始好感触のまま時間を過ごし7月27日で切り上げて寝た。良い夏休みになりそうだ。

一人きりで発売直後のPCゲームを進めていると、SNSに毒されきった身体がソーシャルネットワーキングを求めてしまうのだけど、サマポケを進める自分は決して孤独ではなくて、サマポケをプレイしている多くの鍵っ子とサマポケを通してどこかでは繋がっていて、でも実際は部屋で独り自分だけのSummer Pocketsを紡いでいる、それはとてもとてもとても豊かなことだと思った。今このような時代にシナリオゲームを発売し続ける意義、Keyが新作PCゲームを出す意味、というのを身体で感じた。普段から一人で小説などは読んでいるけれど、ゲームの体験は小説とは違う、アニメとも違う、ゲームでしか味わえない豊かな体験だと改めて強く思った。買ってよかった。アニメ化なんて待たないで買ったほうがいいよと言って回りたい。

しかしまあ初回とはいえこの日記に時間をかけすぎた。それにゲームの外側のことを書きすぎた。こんなものを書くよりただただプレイし続けたい。パワーワードだけ書き残したい。へじゃぷ。どすこい。徹卓。