Key作品の感想など

サマポケ日記 7/2

July 2nd

日記を書いてる場合じゃないから先に書いておくと、今夜は紬ルートがクリアされるだろう。週末にサマポケコラボドリンクを飲みに行く前に四人ともクリアして推しを決めておかなければと焦っている面も否めない。だが推しを決めないことの豊かさを最初から切り捨てるべきではない。ドリンクも色が違うだけで味は全部一緒だ!

昨日の蒼ルートの影響か、今日は一日中眠かった。脳が記憶を整理していた。居眠りにも思い入れが生まれる、いいことだ。それと今日は猛烈な酷暑で、例えば10年後20年後にこんな暑い中を歩きながらサマポケのことを思い出すとしたら、真っ先に浮かぶのは駄菓子屋のかき氷なんじゃないかと思った。味は全部一緒。

蒼ルートを思い返すと駄菓子屋でたむろう楽しさや夜の山の静謐さや診療所の不思議な多幸感がふわっと浮かんでくる。シナリオとしてはああいう幻想的な伝承系要素が大好きだからすごくテンションが上がった。儀式服の蒼のCGと七影蝶のアニメーションと折戸さんのBGMが神秘的な空間を現出させていて素晴らしかった。ドキドキハラハラ熱中しながら進む感覚が久々でこれこれ!という感じで心地良かった。恋愛をしている、まさに恋愛をしている感覚が新鮮だった。全部ひっくるめて蒼との日々は楽しかった。

蒼はエロくてチョロくて、でもどこかウブで可愛らしい子で、大胆な割にすぐ照れたりもするけれど無駄に恥じらったり過度にツンツンすることなくきちんと素直になれるところが清々しくて好きだった。初対面で感じた知的な印象にもきちんと理由があって、それは辛い気持ちになったけれど、他者の記憶を取り込んできた部分も含めて蒼が好きだった。蒼、いいよなあ。藍との過去を羽依里に明かすシーンがとても良かった。好きだけどまだ恋人じゃないというのをちゃんと言葉にして認め合える関係もいいなと思った。

蒼と羽依里はお互いに、相手の安全と相手の真剣な想いが対立した時に、相手の真剣な想いを尊重しているのが良かった。羽依里は直接的には七影蝶探しの役に立っていないように見えたけれど蒼は羽依里にすごく支えられていて、蒼は、羽依里がいなければ藍を見つけることが出来なかった。羽依里は、藍のために限界まで頑張ろうとする蒼の強さを間近で見ていたからこそ、一人になっても、必ず蒼を目覚めさせる。そんな二人が出会えたことは本当に素晴らしいことだと思った。

今でも覚えてる、昨夜のことだからそりゃそうなんだけど今でも覚えてる、藍が目覚めた瞬間心からほっっっとしてついたため息、姉妹の再会を眺めながら滲ませた涙、それでも蒼のことが心配で不穏な気分に支配される心・・・。蒼をおんぶして島を巡るところ、蒼の七影蝶に触れるところ、それはずるいよ〜と思いながらしんみりと、大事に読み進めた。私は個人的に男女の恋愛の関係性の上にあるものでは泣けなくて、家族愛や友情や努力みたいな展開でしか泣けないから泣かなかったけど泣いているような気持ちで読んだ。

蒼が目覚めないままエンディングに移った瞬間、これは本当に正しいエンドなのか一瞬不安になる気持ちと、なんて美しい終わり方なんだと感激する気持ちと、その後の羽依里の日々を予感してギュッとなる気持ちと、なんだか色々でグワーっとなりながらもエンディングをしっかり聴いて、見終わった後にエピローグがあったことにやっぱりちょっと救われて、蒼の満面の笑みに胸がいっっっぱいになった。

プレイ後の余韻の中、蒼ルートを終えてしまったらもうイナリに会えないんじゃないかと気付いたら寂しくて仕方がなくて、イナリのことどんだけ好きだったんだよと自覚させられた。ポン!とポーン!しか喋れないのにあれだけ感情豊かで、蒼想いで物分りが良くて時にはヒーローみたいで、最後は蒼の七影蝶を、明確に見抜いたイナリ。イナリ・・・。

なんで分岐するんだろうなあと思うけれど、蒼との夏休みは大切に胸のポケットにしまって、やっていこうと思う。一人クリアしたことだしと思い初回特典の鳥白島観光日誌をやっと開き、スタッフコメント欄の、彼の、殺伐としたコメントを読んで、結局彼の助言がどう作用したのかは分からないけど最後までしっかり見届けようと思った。

私は彼がシナリオを書かなかった時点で泣くことに関しては重きを置かずにプレイを始めたけれど、ユーザーがKeyに求める一番のものはプレイしながらボロボロに泣く体験のはずで、Keyの核を背負ってきた彼がそれを発言したというのはすごく、痺れたし、こちらもそれなりの態度でプレイしようと思った。だからと言って泣こう!泣かねば!という態度や、全ては最後に泣くための前振りだという態度はプレイの豊かさを奪うと思うから、私はここからも鳥白島での夏休みを全部楽しむつもりで一行一行読んでいく。

とかいって蒼ルートに浸っていたら貴重なプレイ時間が!今日中に紬クリアは無理だ。私は中学か高校の頃Keyに出会い、だらだらと鍵っ子をやってきて、今回、毎週5日間働くアレになってからは初めてゲームをやっているのだけれど、それでもゲームを諦めなくて良い、ゲームは満喫出来るという証明を自分や世界に対してしたい!というのが裏テーマとしてある。焦らずに、でもキビキビと、やっていこう。

それで紬ルートを進めた。本当に面白くて良い子で最高。パリングルスでベランダを作る!バストアップ体操!はっだっかっのっひと!一緒にいて楽しくて、ワクワクして、癒されて、ポジティブな気持ちになる。初めて会ったときから小毬ちゃんを思い出していたからはっだっかっのっひと!では2倍笑った。水織先輩と三人で海に行って水に入るのを促すシーンは、本当に良かった。アルカテイルのBGMは本当にずるい。すぐ照れるのに服が濡れても大して恥じらいもせずにいる紬に心を打たれた。

紬ルートでは紬とだけ接するのかと思っていたら結構皆出てきて楽しい。なんというか自分は島外の人間だから蒼ルートでは幼馴染ズとの間にどうしても一線があるなとか思って若干寂しかったけれど紬と一緒だとあまりそうは思わなくて心地いい。不思議と皆を引きつけてさりげなく仲良くなれるステキな子だなあと思う。しろはがあんな風に和やかに話す相手を初めて見たから驚いた。それと水織先輩を前にした天善の豹変ぶりには笑う。

最初は皆で灯台にたむろしてベランダを作るのかと思ったけれどここ数日はもっぱら静久と三人でいて、そっちの方がウキウキして良い。全然プレイがやめられない。今が平和すぎて本題に入って行く気がしない。恋愛はちょっと進みそうだけれど。自分探しとか、やりたいこととか、いろいろあるとか、紬は羽依里と同じようなコードでこの夏を生きている気がして、なんかいいじゃんって思う。まあやっぱり紬のあの気品、ヴェンダースへの拒否反応、わたしがいないとみんな心配するという言葉、夏が終わったら帰るということ、この辺りを思うとシリアスななにかを感じてもう泣きそうになってくる。

せっかくだしお泊まり会に合わせて寝ることとする。ここは灯台。星を見ながら寝よう。

サマポケ日記 7/1

July 1st

嘘だろ・・・バッドエンドで終わってしまった・・・。そんなにゲーム下手か、わしは・・・。えっ・・・。

あんなに楽しかった島での2週間ちょいがいきなり終わってしまった。毎日毎日島を巡って、あんなに楽しかったのに。なにが悪かったんだ。

結局僕はなにも為せずに終わるのか。それなりに楽しくやって、でも、島の人間にはなれなかった。羽依里の気持ちはそのまま私の気持ちだ。

蒼と良い感じになってきたはずだったのに、蒼に何も言わず島を出るなんて、そんな・・・。たしかに毎晩寝る前に鬱屈としていたけれど、えっ?えっ?と思っているうちに出航してしまった時の絶望感。

マップ散策のやり方を大幅に間違えていたのか、それ以前の問題なのか。クリア出来る人はなぜクリア出来るんだ。昔何も見ずに春原を攻略しようとしたら何も起きずに終わったCLANNADを思い出した。でもこの虚しさをはじめに経験できたことはこの先の自分の心持ちに良い影響を与えると思う。

島で毎日ふらふらしてみんなと遊ぶの、楽しかったなあ。うみちゃんのチャーハン毎日美味しくて、うみちゃん天使のように良い子だったなあ。卓球小屋で天善と良一と話すの最高の時間だったなあ。ゴミ拾いする紬さんかわいくて面白くて、この子といると気持ちがいいなって思ったなあ。鴎ちゃんの親しげな話し方と笑顔がすごく好きだったなあ。しろはが一人きりでいる感じ痛いほど胸に刺さった、スイカバー買ってあげたかったなあ。蒼の家のこと、お祭りのこと、抱えているもの、もっと知りたかったなあ。

って、無節操に人に会いすぎたのかもしれない。でも一通り会わないといけない気がしたんだ。勝手な思い込みで変な調味料を加える料理下手のようなプレイであった・・・。

セーブをたどってどうにかするか、大人しくレシピを待つか・・・。こんなことをしているサマポケ購入者いるのだろうか?

でも私はこれでもう嫌になったとかそんなことはなくて、鳥白島での日々が自分のことのように好きだったし、何より鳥白島の人たちが大好きになっている。

また天善と特訓したい。あ、天善と特訓しすぎたのだろうか。「一瞬の眩しさを刻むんだな」には笑ったなあ。天善ゾーン。まだまだだな。

蟹チャーハン、朝チャー、チャーハンが食べたい。おはよううみちゃん、朝食はチャーハンで・・・。

このあと少しだけセーブを辿って思い当たる箇所をやり直してみたけれどダメで、他力本願に切り替えようと決めた。日曜日が終わっていく。後悔に苛まれている。鳥白島に帰りたい・・・。

とまで書いたけれど諦めきれず、薄目でツイッターを検索してみたところ要はMAPでヒロインを追っていけばいいらしく、MAPが出てくる場所からやり直して蒼以外の子のマスを全て避けて進んでみた。普通に考えればそうすればよかったんだ。卓球の誘惑になどかられずに。

そうしたら重要っぽい箇所で新しいテキストが出てきて、勝ったと思った。ドキドキしながら進めていたら、夜の山のシーンでイナリに出会って終わることなく、蒼の姿を見ることができた。きっともう分岐しただろう。あんなに美しい蒼に、苦労してやっとたどり着けたことに、なんだか嬉しさがこみ上げてたまらなくなった。サマポケ最高。さあ進めていこう。

それで・・・数時間後、蒼ルートをクリアした。一瞬、え?と思ったけれど多分あれ以外のトゥルーエンドはないはず。美しいラストだった。

ちょっと何も書きたくない、余韻に浸って寝る。蒼・・・。

部屋の電気を消すと、初回特典の七影蝶蓄光シールが光る。とても大事なものになるだろうと思っていたけれど、とても大事なものになった。イナリのラバーコースターが愛おしくて愛おしくて仕方がない。

蒼、ありがとう。

蒼の強さ、私も見てたから。

羽依里と一緒に見てたから。

私も今日諦めなくてよかった。蒼の手だけを取れてよかった。私も楽しかったよ、この夏休み。

大好きだよ、蒼。

サマポケ日記 6/30

Jun 30th

7月28日からスタートした。紬と鴎に出会った。紬は昨日だった気もする。今日か。暑さで時間が歪んでいる。

まだ6月最終日とはいえ、7月末の鳥白島の暑さの描写と完全にシンクロできた。自分が本当に鳥白島にいる気持ちでプレイできて嬉しかった。

紬はキービジュアルを見た時点で一番可愛くてきっと好きになると思っていたが、喋るともっと可愛くて好きになった。光らない灯台に佇み、自分を探している、やりたいことを探していると言うあの姿。美しかった。不思議ちゃん系っぽい中にきちんと知性を感じさせる感じが本当に良い。紬・ヴェンダース

が、鴎の素晴らしさが度を越した素晴らしさで、女の子キャラでは鴎推しになる機運が高まった。とにかくキービジュアルのみの印象とは全然違くて、良い裏切られ方をした。高飛車な女かと思っていたら涼やかで知的で可愛らしいお茶目な美少女だった。とか言うとなんだか上から目線だし、ヒロインを評定したくてやっているわけではないけれど、でも良かった。スーツケースを押し合った情景が最高の思い出としてもう自分の脳に刻まれている。あの時突然羽依里のビジュアルが見切れて驚いたけれど予想通りイケメンだった。ですよねー。

ヒロイン皆が素敵すぎて誰か一人だけのルートに進むのが悲しいと思った。これを言ってはおしまいだけどギャルゲーはなぜ分岐するのか。ゲームの全貌はよくわかっていないけれど、駄菓子屋で蒼と会ったシーンではとりあえず蒼ルートに行きそうな選択肢を選んだ。一人目をクリアする頃には攻略サイトが出来ると信じ、自力で進む。ところでこのゲーム、蒼との会話だけ全年齢とは思えない。それとハンムラビるという猛烈なパワーワードが忘れられない。

夜の海でしろはに会うシーンは、それまでと同じノリでは読めないような並々ならぬものを感じた。きっと大事な場面だと思った。この後がオープニングかなと、意識の外で感じていた。きっとそんな風に張り詰めていたから余計に、「そういうの辛いよね」の意外な言い方がどうしようもなく琴線に触れて泣きそうになった。しろはの物の言い方、声に滲む感情、すごくすごく良くて、この子がすごく好きだと、思った。「この島が合ってるのかも」ってセリフ、あの状況で出るか。しろはに出会えて良かった、嬉しい。

暗転した。暗い画面を見つめながら何十秒か待った。いよいよ、いよいよか!という高揚と少しの緊張。オープニングが来る。

それはYoutubeで、店頭で、既に数回見ていたあの映像。購入して何百回も聴いていたアルカテイル。でも全然違った。私はもう彼女たちを知っていた。知っていた上で見るとものすごく鮮やかで、愛おしかった。Summer Pocketsが、自分の心に残るKey作品たちとやっと並ぶような気がした。あの作品やあの作品やあの作品・・・と同じくらい思い出深いゲームタイトルになる気がした。ここから始まる。

OPで一つ思ったのがあの巫女のような服装、もしかしてそういう神社的な展開になるのか?君の名は。的な。というかAIR。私の一番好きなテイストだ。楽しみすぎる。

出かける用事がありOPを見届けてからパソコンを閉じた。暑い暑い一日で、昨日も暑くて、天がサマポケを祝福しているかのようだった、とは言わないけれど、サマポケは世界に祝福されていた。

追記 ・サマ〜アバンチュ〜ルは笑う ・羽依里の水泳の話が出るとFree!を連想してしまう 

サマポケ日記 6/29

Jun 29th

Summer Pocketsが届いて夏が始まった。

初回特典は概ね良かったけれど中でもラバーコースターとクロスは普通に欲しかったため非常に嬉しく、これに冷たい飲み物を乗せてメガネを拭いてサマポケをプレイしていこうと心に誓った。

色々忙しいから今日はインストールだけ、と思いパソコンを起動、ディスクをセット、大きな音を立ててインストールされていくサマポケを見守ったり見守らなかったりした。

インストールが終わりOK的な、次へ的なボタンを押していったらメニュー画面が出てくるわけではなくはじまりのムービー的なプロローグ的なあれが始まってしまいこれはもう見てちょっと進めようと覚悟を決めて見た。

以下この日記はネタバレを含みます。

ムービーを見てかなりよさそうという以外には、「眩しさだけは忘れなかった」が結論ではなく前提なのが意外、などと思った。雰囲気やフォントの感じなど隅々まで綺麗で俄然楽しみになった。

発売日に買っておいてなんだけど買ったのは昨年のコミケ以来KeyのPRに触れ続けた結果すごく楽しみになってしまった、あと先月KSLライブで聴いたアルカテイルが非常に心に残った、というだけで、あと麻枝 准が原案と音楽にクレジットされている、というだけで、いい感じの夏の思い出を作りたかった、というだけで、そんなに期待してたわけじゃないんだからね!というテンションだったけれど俄然楽しみになった。

今まではとっくに攻略サイトが出来ているタイトルを攻略サイトに沿って効率的に進めていたのだけど流石に攻略サイトは上がっていない、しかしもう我慢できないし今までの経験に照らし合わせて適切っぽい選択肢を選びながら適当にやっていけば誰かしらのルートに入ってまあバッドエンドは回避出来るだろう、そもそも自力で進めるのがゲームというものでその面白さを1ルートくらいは味わうべきだ、ということでいきなり出てきた最初の選択肢を、傷ついた翼を癒すためみたいなやつにした。そうしたらこれが後々までずーっと出てくるキーワードになって、あれ以外の選択肢を選んでいたら全く違う世界に進んだのだろうかと思うと、なんだかハラハラする。

それで鳥白島にやって来て、なぜやって来たのかも分かって、やって来たなあと思った。これからここで過ごしていく、鷹原羽依里が、私が。今公式サイトで「羽依里」の漢字を一応確認のち辞書登録をした。

というかこんなに長々と書く気はなくて、ただでさえ取りづらいプレイ時間を削るわけにはいかなくて、私はただツイッターで漏らせない心の叫びを抑えきれなくて、といっても一人静かにゲームを進められないのはSNSに毒されすぎだとは思う、でもちょっと、ネタバレ見るのも言うのも気にしなくていい場所でちょっと呟きたいからブログに来た・・・というのと、もう一つ。

Keyのゲームをプレイするたびに、日記をつけてみたい、つけておけば良かったと思っていた。その街で一つの季節を過ごした記録を未来の自分に残しておきたい。ゲームの中で過ごす自分と、画面の前でゲームを進める自分が混じり合い、やがてかけがえのない思い出になる時間を紡いでいく、その真っ最中の軌跡を形にしたい。そういうちょっとした夢を今回こそ叶えようと思った。

それでこれを書いているのが6月30日で、昨日プレイした部分を細かく覚えてはいないし細かく振り返りたいわけではない。のでざっくりと思ったことを並べてみる。

とりあえずKeyだ〜〜〜という感じに包まれた。高校生の主人公の内面に展開されるアンニュイな心情と不意打ちのギャグ。新しい場所へのワクワク感とワケありな雰囲気。ツッコミどころ満載の住人とのほのぼのとした交流。ちょっとくどいくらいにKeyっぽいテンションがあった。まあそういうKeyっぽいとか誰が書いてるかとかはプレイしながら考えることじゃないだろうけど流石に「Keyのゲーム」という意識は拭えない。

布陣も大きく変わってKeyのゲームとしてどうなったのだろうと少し不安だったところを、最初のおばあちゃんとのやりとりでホッとさせられた。へじゃぷ。やっぱりKeyの核は日常にあると思っていて、主に麻枝さんが作ってきた日常ギャグのテイストが受け継がれているのは嬉しかった。

最初に島を巡っている時のあの雰囲気もすごく、今までのKeyとは違うけれどああ・・・と浸れるもので、BGMも、多分あのBGMが麻枝さんなのだろうけど、全体的にああ・・・と浸れるもので、ああ・・・・・・と浸った。世界に入っていった。ここでの夏休みが始まる。

初日、まずは鏡子さんに出会って、あの綺麗な背景グラフィックの世界に初めて人物の立ち絵が出てきたのをおお!と思いつつ胸でかいなあと思いつつAIRの晴子さんを思い出したりした。いい人だろう。

夜はしろはとの出会い・・・いきなり下着姿でびっくりしたけれど星空のもと夜のプールでああして出会うのはとても美しいことだと思った。体験版をやっていないからキャラのことは限られたビジュアルしか知らなくてしろはは多分メインヒロインだろうけどなんかそんなに興味が出なくて私は紬ちゃんが良いかななどと思っていたけれど実際会ってみたら印象が全然違くてすぐ好きになった。

いや違う、出会ったのは夜だけどしろはのことは一番最初に船から見たんだ。あの絵の時点で心惹かれていた。あの美しさ。鳥白島の物語世界を立ち上げて軸として支えるような強い存在だと思う。

そういえば明らかに過去を匂わせる記述が多くて、物語の全てがそこに収斂されていくような感じを掻き立てられてそれはちょっとなんとも言えないのだけれど、あからさまな感じも含めて意図的である気もするし、その部分こそが麻枝さんの原案の核なのだろうし、予感は予感としてどこかで感じつつ目の前にある一日一日をきちんと楽しんでいきたい。

それで次の朝うみちゃんに出会った。前日にサマポケ応援イラストでごとPさんが描いているのを見て、誰だこの子と思って調べたらうみちゃんで、ごとPさんがうみちゃんを描くこと、あのように描くこと、わかりみが深すぎて印象的だった、そのうみちゃんに出会った。見た目しか知らないのと、立ち絵が動いて喋るのとでは全然違う。羽依里と並行して自分自身が人々に「出会って」いる感じがして楽しかった。うみちゃんはただの元気でおませなロリではなく知的な感じがして良い。

そのあと誰に出会ったのか、蒼か。まあとにかく7月26日と7月27日を過ごした。初日は25日だったのか、もう一日あったのか曖昧だけどそんなことはどうでもよくて、来月だなあと思った。その数日で蒼と、良一と、美希と、天善に出会った。それとイナリ。ポン!

蒼もあまり興味がなかったけど眠りから目覚めて喋り出した瞬間からめちゃくちゃ良かった。ああいうにぎやかなタイプは苦手なはずなんだけど話し方とか口調とか、なにか無性に良いなあと思った。うみちゃんにもしろはにも思ったことだけど、なんとなく知性を感じさせるところが心地いい。そしてそれは全てのヒロインに対して思うことになった。今までのKeyのヒロインに知性を感じなかったとかいうわけでは、ちょっとあるかもしれないが、ないけれど、何故かそれは新鮮な感覚だった。

ハイドロの美希さんも威圧的で厨二っぽい感じが好ましくないと最初は思ったが普通に話してみればやはり知性を感じる素敵な子だった。

とはいえ大して知性を感じない男二人が完全にツボだった。Keyの男キャラが問答無用で好きだからこの二人には期待しまくってきたけれど一瞬で超えてくれた。

良一、一言一言全部良い・・・。明るいヤンキーかと思えば爽やかで子供っぽいところもあって良い奴で、良いキャラしてる・・・。コロコロ変わる表情も可愛い・・・。出会い方も素晴らしすぎる・・・。

天善、お前最高だ・・・。これぞKeyの男キャラだ・・・。登場からして面白すぎる、存在が面白すぎるよ・・・。かと思えばメガネの下の瞳の美しさに射抜かれる・・・。

良一に出会ったその瞬間からKey的BLムードが始まったのは嬉しい反面複雑な気持ちもあった。男同士の恋愛を徹頭徹尾ギャグとして扱う男子校的ノリは恋愛ゲームのレーベルとしてどうかと思うし好きではない、が、普通に萌えも煽られる。複雑だ。あの卓球小屋で過ごす良一と天善を想うと圧倒的な気持ちになる。

これは昨日、つまり今日、つまりこの6月29日にたまたま知ったのだけれど、「学園ヘヴン」や「鬼畜眼鏡」など、BLゲームに明るくない自分ですら知っているBLゲームを生み出した、BLゲーム界のトップクラスにあるSprayというレーベルがビジュアルアーツのレーベルだった、今年一番驚いたし笑った。入社したい。

それよりあの卓球ゲーム、面白すぎる、天善の叫び声で無限に笑える。とりあえず天善にオススメされた時間無制限モードでやってみたら時間が経つにつれ鬼のように難しくなり6分台で終わった。ディスプレイは平面なのに動体視力が必要で、動き回る的のせいで反射神経も必要で本当に難しい。リトバスの野球以上に面白いものはないと思っていたけれどなかなかハマりそうだ。リアルの卓球もやりたくなってくる。

それで羽依里の歓迎会の後にサマポケ史上最強のパワーワードが飛び出した。「徹卓」!!!ゲラゲラ笑ってしまった。徹夜で卓球、徹卓!徹夜で麻雀なら分かるという羽依里の言葉に、徹夜で天鳳をプレイしていた麻枝さんたちが浮かびそれも面白かった。徹卓、リトバスの「極寒」並のパワーワードだ。へじゃぷ。どすこい。徹卓。ワードセンスが光っている。この日記も、「徹卓」の衝撃を吐き出したくて始めたようなところもある。あれはゲームの中で初めて触れてほしい単語だから安易にツイートできない。でも徹卓wwwツイートが溢れていてほしいとも思う。

そんな感じで終始好感触のまま時間を過ごし7月27日で切り上げて寝た。良い夏休みになりそうだ。

一人きりで発売直後のPCゲームを進めていると、SNSに毒されきった身体がソーシャルネットワーキングを求めてしまうのだけど、サマポケを進める自分は決して孤独ではなくて、サマポケをプレイしている多くの鍵っ子とサマポケを通してどこかでは繋がっていて、でも実際は部屋で独り自分だけのSummer Pocketsを紡いでいる、それはとてもとてもとても豊かなことだと思った。今このような時代にシナリオゲームを発売し続ける意義、Keyが新作PCゲームを出す意味、というのを身体で感じた。普段から一人で小説などは読んでいるけれど、ゲームの体験は小説とは違う、アニメとも違う、ゲームでしか味わえない豊かな体験だと改めて強く思った。買ってよかった。アニメ化なんて待たないで買ったほうがいいよと言って回りたい。

しかしまあ初回とはいえこの日記に時間をかけすぎた。それにゲームの外側のことを書きすぎた。こんなものを書くよりただただプレイし続けたい。パワーワードだけ書き残したい。へじゃぷ。どすこい。徹卓。