Key作品の感想など

サマポケ日記 7/2

July 2nd

日記を書いてる場合じゃないから先に書いておくと、今夜は紬ルートがクリアされるだろう。週末にサマポケコラボドリンクを飲みに行く前に四人ともクリアして推しを決めておかなければと焦っている面も否めない。だが推しを決めないことの豊かさを最初から切り捨てるべきではない。ドリンクも色が違うだけで味は全部一緒だ!

昨日の蒼ルートの影響か、今日は一日中眠かった。脳が記憶を整理していた。居眠りにも思い入れが生まれる、いいことだ。それと今日は猛烈な酷暑で、例えば10年後20年後にこんな暑い中を歩きながらサマポケのことを思い出すとしたら、真っ先に浮かぶのは駄菓子屋のかき氷なんじゃないかと思った。味は全部一緒。

蒼ルートを思い返すと駄菓子屋でたむろう楽しさや夜の山の静謐さや診療所の不思議な多幸感がふわっと浮かんでくる。シナリオとしてはああいう幻想的な伝承系要素が大好きだからすごくテンションが上がった。儀式服の蒼のCGと七影蝶のアニメーションと折戸さんのBGMが神秘的な空間を現出させていて素晴らしかった。ドキドキハラハラ熱中しながら進む感覚が久々でこれこれ!という感じで心地良かった。恋愛をしている、まさに恋愛をしている感覚が新鮮だった。全部ひっくるめて蒼との日々は楽しかった。

蒼はエロくてチョロくて、でもどこかウブで可愛らしい子で、大胆な割にすぐ照れたりもするけれど無駄に恥じらったり過度にツンツンすることなくきちんと素直になれるところが清々しくて好きだった。初対面で感じた知的な印象にもきちんと理由があって、それは辛い気持ちになったけれど、他者の記憶を取り込んできた部分も含めて蒼が好きだった。蒼、いいよなあ。藍との過去を羽依里に明かすシーンがとても良かった。好きだけどまだ恋人じゃないというのをちゃんと言葉にして認め合える関係もいいなと思った。

蒼と羽依里はお互いに、相手の安全と相手の真剣な想いが対立した時に、相手の真剣な想いを尊重しているのが良かった。羽依里は直接的には七影蝶探しの役に立っていないように見えたけれど蒼は羽依里にすごく支えられていて、蒼は、羽依里がいなければ藍を見つけることが出来なかった。羽依里は、藍のために限界まで頑張ろうとする蒼の強さを間近で見ていたからこそ、一人になっても、必ず蒼を目覚めさせる。そんな二人が出会えたことは本当に素晴らしいことだと思った。

今でも覚えてる、昨夜のことだからそりゃそうなんだけど今でも覚えてる、藍が目覚めた瞬間心からほっっっとしてついたため息、姉妹の再会を眺めながら滲ませた涙、それでも蒼のことが心配で不穏な気分に支配される心・・・。蒼をおんぶして島を巡るところ、蒼の七影蝶に触れるところ、それはずるいよ〜と思いながらしんみりと、大事に読み進めた。私は個人的に男女の恋愛の関係性の上にあるものでは泣けなくて、家族愛や友情や努力みたいな展開でしか泣けないから泣かなかったけど泣いているような気持ちで読んだ。

蒼が目覚めないままエンディングに移った瞬間、これは本当に正しいエンドなのか一瞬不安になる気持ちと、なんて美しい終わり方なんだと感激する気持ちと、その後の羽依里の日々を予感してギュッとなる気持ちと、なんだか色々でグワーっとなりながらもエンディングをしっかり聴いて、見終わった後にエピローグがあったことにやっぱりちょっと救われて、蒼の満面の笑みに胸がいっっっぱいになった。

プレイ後の余韻の中、蒼ルートを終えてしまったらもうイナリに会えないんじゃないかと気付いたら寂しくて仕方がなくて、イナリのことどんだけ好きだったんだよと自覚させられた。ポン!とポーン!しか喋れないのにあれだけ感情豊かで、蒼想いで物分りが良くて時にはヒーローみたいで、最後は蒼の七影蝶を、明確に見抜いたイナリ。イナリ・・・。

なんで分岐するんだろうなあと思うけれど、蒼との夏休みは大切に胸のポケットにしまって、やっていこうと思う。一人クリアしたことだしと思い初回特典の鳥白島観光日誌をやっと開き、スタッフコメント欄の、彼の、殺伐としたコメントを読んで、結局彼の助言がどう作用したのかは分からないけど最後までしっかり見届けようと思った。

私は彼がシナリオを書かなかった時点で泣くことに関しては重きを置かずにプレイを始めたけれど、ユーザーがKeyに求める一番のものはプレイしながらボロボロに泣く体験のはずで、Keyの核を背負ってきた彼がそれを発言したというのはすごく、痺れたし、こちらもそれなりの態度でプレイしようと思った。だからと言って泣こう!泣かねば!という態度や、全ては最後に泣くための前振りだという態度はプレイの豊かさを奪うと思うから、私はここからも鳥白島での夏休みを全部楽しむつもりで一行一行読んでいく。

とかいって蒼ルートに浸っていたら貴重なプレイ時間が!今日中に紬クリアは無理だ。私は中学か高校の頃Keyに出会い、だらだらと鍵っ子をやってきて、今回、毎週5日間働くアレになってからは初めてゲームをやっているのだけれど、それでもゲームを諦めなくて良い、ゲームは満喫出来るという証明を自分や世界に対してしたい!というのが裏テーマとしてある。焦らずに、でもキビキビと、やっていこう。

それで紬ルートを進めた。本当に面白くて良い子で最高。パリングルスでベランダを作る!バストアップ体操!はっだっかっのっひと!一緒にいて楽しくて、ワクワクして、癒されて、ポジティブな気持ちになる。初めて会ったときから小毬ちゃんを思い出していたからはっだっかっのっひと!では2倍笑った。水織先輩と三人で海に行って水に入るのを促すシーンは、本当に良かった。アルカテイルのBGMは本当にずるい。すぐ照れるのに服が濡れても大して恥じらいもせずにいる紬に心を打たれた。

紬ルートでは紬とだけ接するのかと思っていたら結構皆出てきて楽しい。なんというか自分は島外の人間だから蒼ルートでは幼馴染ズとの間にどうしても一線があるなとか思って若干寂しかったけれど紬と一緒だとあまりそうは思わなくて心地いい。不思議と皆を引きつけてさりげなく仲良くなれるステキな子だなあと思う。しろはがあんな風に和やかに話す相手を初めて見たから驚いた。それと水織先輩を前にした天善の豹変ぶりには笑う。

最初は皆で灯台にたむろしてベランダを作るのかと思ったけれどここ数日はもっぱら静久と三人でいて、そっちの方がウキウキして良い。全然プレイがやめられない。今が平和すぎて本題に入って行く気がしない。恋愛はちょっと進みそうだけれど。自分探しとか、やりたいこととか、いろいろあるとか、紬は羽依里と同じようなコードでこの夏を生きている気がして、なんかいいじゃんって思う。まあやっぱり紬のあの気品、ヴェンダースへの拒否反応、わたしがいないとみんな心配するという言葉、夏が終わったら帰るということ、この辺りを思うとシリアスななにかを感じてもう泣きそうになってくる。

せっかくだしお泊まり会に合わせて寝ることとする。ここは灯台。星を見ながら寝よう。