Key作品の感想など

サマポケ日記 7/5

7月5日 天気 くもり

目覚めた一秒後から昨夜プレイしたサマポケを反芻する朝が続いている。今日は真っ先に「鴎」と思った。

鴎との夏休みを想うと胸に爽やかな風が吹き抜ける。色々あったけれど鳥白島であんなにワクワクする冒険ができて楽しかったというのが一番にある。

初めて会った時から鴎の親しげな雰囲気やお茶目な口調が好きだったけれど一緒に冒険するようになってからはますます魅力的に見えて可愛くて仕方がなかった。制服姿を見た瞬間の感動は凄まじかった。あんなに制服似合う子いるか。メイド服も似合いすぎだ。私服も可愛い。あの子がどんな子であれ、あの子と夏休みを過ごせたことがすごく嬉しかった。

手紙をくれた子たちのために鴎が叶えようとしたこと。羽依里がそれを受け継いで懸命に頑張ったこと。そういうのに普通に胸を打たれた。鴎は皆の記憶からいなくなってしまったけれど、カモメのことは沢山の人が覚えていて、羽依里のおかげでこれからも絶対に忘れない。それがよかった。鴎はかっこいい女の子で、羽依里も負けないくらいかっこいい男だ。

話の展開としてはミスリードが上手くて全然予想ができなかった。最初は羽依里が島に来たことがあるという展開を鴎ルートでやってしまっていいのかとハラハラしていて、初恋の女の子は小説の主人公というくだりでおや?と思い、鴎の身体のことを知ってなるほどと思い、それでも鴎が消えた途端わけがわからなくなり、羽依里が真実に気付くシーンでは一緒に唸った。七影蝶のことはだんだん謎になってきたけれど眠っている子が実体化することには何の疑念も持たなかった、鍵っ子だから!

お母さんと話すところや海賊船の帆を張るところでは涙が滲んだけれど、ボロ泣きすることはなくて最後までどこか爽やかな気持ちだった。いい話とまとめるのは違うけれど、胸のポケットにしまっておいて時々思い出したら元気をもらえるような、羽依里にとっての「ひげ猫団の冒険」のようなお話だった。島の皆がやっぱりいい奴らなのもよかった。

エピローグで希望を見せてくれるのは全ルート共通なのかもしれない。世界中を回ってきた手紙はずるい。羽依里が鴎との日々を共有する仲間がいないのが寂しかったしいたらボロ泣きだった気もするけれど、羽依里が一人抱えた愛を胸に七つの海を旅して鴎に会いにいくというのはロマンティックでそれはすごくいいなあと思う。

今までどなたがどのシナリオを書いたのか気にしないようにしてきたけれど鴎ルートの鮮やかな感触がどなたによって紡がれたのか気になって調べたら新島夕さんがしろはと鴎、魁先生が蒼、ハサマさんが紬らしい。新島さん、いいじゃ〜んとか思った。それでその調べる過程で今まで情報回避として避けていたサマポケ開発日誌をチラ見したらライティング合宿の様子が書かれていて、机の上に各人のパソコンが並べられた写真を見て胸が一杯になった。 サマポケのスタッフさんたちがそれぞれの途方も無い道筋を孤独に、それでも一緒に進んできた日々に想いを馳せるとなんだか泣きそうになるし誠意を持ってプレイしようと思った。

そういえば蒼と紬をクリアしてメニュー画面が残り二人になった時点でReSTARTのボタンが出現し、どうなるんだろうと思いながら進めたがどうにもなっておらず、ただうみちゃんとのくだりだけスキップ不可の新テキストになっていて変だなと思っていたら途中でやっと気付いた、うみちゃんがタメ口になり「鷹原さん」ではなく「羽依里さん」呼びになっている。個人的にうみちゃんは敬語の方が可愛いけれどそれよりこれは、どういう意味なのだろう。しかも終盤にうみちゃんが帰ったと知らされるシーンもあった。なにか不穏なものを感じてしまう。まさかうみちゃんは羽依里との夏休みを繰り返して・・・?とか思うけれどどうだろう。

ついにメニュー画面にいるのがしろはだけになり、いよいよだなあと思う。しろはがメインだろうからしろはを最後にやってその後に繋げようとしてこの順番を選んだのだがまあ割とよかったと思う。最初に蒼ルートをやって七影蝶を知ったのがかなりよかった。鴎ルートが二日間に渡るかと思いきや案外短くて予定が繰り上がり、今夜からしろはルートが開始される。ここまで各シナリオでしろはの魅力をさりげなく感受してきたわけだからしろはに踏み込むのは楽しみだ。

と思っていたら連日の気候と労働環境の影響だろう、風邪のような雰囲気になりそれを免罪符に今日の労働をなきものにした。これよりサマポケ療法を開始する。

4周目、ReSTART2回目、うみちゃんがさらに幼児退行している。ひらがなで喋ってくる。おにーちゃんと呼ばれる。チャーハンが美味しくない。「鷹原さん」と呼んでくれた知的な印象のうみちゃんに会いたくて切なくなってしまう。これはなんなのだろう。プレイヤーそれぞれにとっての萌えるうみちゃん像を提供するサービスにすぎなかったらどうしよう。

買い出しに行って思わず氷菓の棚を見たらそれは一瞬で目に飛び込んできて逡巡のち購入された。

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・・・。

それでしろはルートは無事にクリアされた。無事でよかった、本当に。堀田ちゃんのお父さんが出てきてアーーーとなって行くなバカと画面に向かって言いたくなって、でもそうは言えないし、本当、どうなることかと思った。

「ALKA」の字が追加された新しいタイトル画面を感慨深く眺め、新しいBGMをしばし聴いていたところ一瞬独特のメロディーに身体を引っ張られこれは聴いてはいけないと何故か思い急いでEXTRAのBGMコーナーに飛んだところやはり麻枝 准だった。聴いてはいけない気がした。

それでしろはルート。そういうの、辛いね。と言ったしろはが味わってきたもの。羽依里が味わってきたもの。聞いているだけで苦しくなった。でも、翼の傷ついた鳥が二羽出会い、お互いがお互いに新しい風を吹かせていく、そんな夏休みはどこまでもよかった。すごくよかった。

一人で泳ぎを練習して最善を尽くそうとしていたしろは。誰かを巻き込みたくない、羽依里を巻き込むまいと必死になっていたしろは。強いしろは、でも全て自分のせいだという意識に苛まれ続けるのはどれだけ辛かっただろう。消えてしまいたいと思い続けるのはどれだけ・・・。羽依里がああいう奴で、まっすぐ
踏み込んでいきながらさりげなく寄り添える奴で、いざという時にきちんと選べる奴で、そんな羽依里が鳥白島に来て、しろはを見つけられてよかった。

今まであれだけ距離があったしろはと段々仲良くなっていくのはすごく楽しかった。意外と笑ったり、料理が上手かったり、卓球が上手かったり、着ぐるみ案にあっさり納得してペケモンになってしまったり、義理堅かったり、気付けば皆の輪に入れたり。あの子はすごくいい子で、あんな感じだけれど一緒に遊ぶとすごく楽しかった。そりゃ良一も好きかなって思うよね、うん、意外だった。

島の皆はやはり頼りになるいい奴らだった。男衆も蒼も勿論だけれどのみきが毎回有能でいい奴すぎる。皆羽依里の頼みを嫌がることも疑うこともまずなくて、羽依里が頼ろうとした時点で協力体制ができている。鳥白島で羽依里はかけがえのない仲間を得たのだと思う。屋台をやるところなんて本当に楽しくてちょっと羨ましかった。

神域で見たうみちゃん、海中で見た七影蝶、謎を残したまま割とあっさりと、恋の予感を残したまま終わったしろはルートだけれど、このままどう核心に繋がるのだろうか。エピローグ後の語りもずっと意味が取れない。攻略サイトによればALKAはうみルートらしくて、やはりうみちゃんが鍵なのか。とにかくやるしかない。

ALKA TALEをクリアした。

波の音を聞いている。

波の音をずっと聞いている。